今回は学会のポスター発表向けのポスター作成方法について解説します。
私は在学中に7つの学会へ参加して6回ポスター賞を受賞しています。
その中のポスターの1つはこちらになります。
※(ぼかし加工済みです)
前回の記事でポスター作成の下準備は完了しています。
今回からは画像を挿入して発表用資料として仕上げていきます。
以下の点を守れば自分にも相手にも分かりやすいポスターを作成でき、ポスター発表賞にも近づきます。
↓レイアウト構成についてはこちらをご覧下さい。
共通する鉄の掟は以下の通りです。
- 画像をたくさん使う
- 長い文章を使わない (せめて箇条書き)
- 強調したい部分は枠で囲む
- 必ずグラフを使う
要するに新聞のように文字だけのポスターはやめましょうということです。
長文が許されるのは「背景」です。
実験方法も文字多めでも良いですが、なるべく短くして必ず画像を添えましょう。
また、要旨の内容を全文コピーしてポスターに貼り付けて終わりなんて最悪ですので絶対にやめましょう。
続いては各項目での作成方法について解説に移ります。
背景の作成方法
背景では「実験レポート作成編」でも説明していますが、
「なぜこの研究を行ったのか」や「この研究を説明するための導入」、「現在の方法での問題点」などが書かれます。
ポスター発表では、その文章内容を図示することが必須になります。
自分が頭の中で考えてきた研究背景を3~4枚程度の画像を添えて、端的に説明します。
上記の例(小見出し上)では、黒塗り画像3枚で実験概要を説明し、右側の装置を使ってこのグラフを解析することで研究しています。と説明していました。
大事なのは過不足無くコンパクトに説明するための画像を選んで使うことです。
目的の作成方法
目的と記載していますが私は実際には実験コンセプトを説明していました。
上記の例(小見出し下)では、あなたの実験のコンセプトを説明するための画像4枚を載せて、その下に箇条書きでコンセプトを説明しています。
背景とここまででは一般の方にも分かるようにする事を特に心がけて作成しましょう。
実験方法の作成方法
実験方法でやりがちなNGな点としては「要旨の内容を全文コピペして作成することです」
ポイントは下記3点です。
①事細かに全て記載しなくても、最低限重要な情報の箇条書きでOK (詳細は要旨に書いてあるため)
②実験装置や試料、一般の人には分からない物の画像を載せる
③「画像で見ただけでも分かる」+「箇条書きで読んでも分かる」を意識する
上記の例では、3点を守っていますので文字と画像のバランスを参考にしてください。
理系学生の利用率 No.1【アカリク】実験結果の作成方法
大事なポイントは下記3点です。
①必ずグラフを載せる
②グラフの注目すべき点を強調する
③そののグラフから分かった事を箇条書きにして強調する
理系の発表である以上必ずグラフは載せてください。
そしてそのグラフの何に注目してもらいたいのか明確にします。
例えば、グラフの注目点とは頂点や傾きの増加率、一番底の値、などなどたくさんありますが、
実験について何も知らない人が見ても分かるように、どこを注目すべきかを明確にすることが重要です。
上記の例ではグラフに矢印を挿入して強調しています。
そしてそのグラフから分かったことを緑の枠内に箇条書きにしています。
繰り返しになりますが、大事なことはコンパクトに分かりやすく書くことです。
考察の作成方法
私は最初はポスターに考察を入れていましたが、次第に入れなくなりました。
理由としてはスペースの不足と、結果の画像を元に口頭で説明すれば十分だったからです。
ですが作成方法としては結果と同じで「結果のどの部分からどういうことが推測できるのか」を図と箇条書きを用いて簡潔に説明します。
結論の作成方法
結論でのオススメは「あなたの実験を象徴するグラフを1つ載せる」ことです。
ポスターでの結論は発表方法編でも説明しますが、まだあなたの実験についてよく理解していない人でも、「つまり私の実験はこういうことです」と分かるように作成します。
上記の例では赤と青のグラフを用いて、つまり私の実験ではこういうことが起きたましたと説明していました。
隣には緑枠に結論の文を添えています。
この結論の部分を分かりやすくすることで全体像が明確化し、納得度が上がるので是非この方法をオススメします。
謝辞の作成方法
謝辞は企業や他の研究機関と共同、支援していただいている際に必ず載せなければいけない内容です。
実際は下記↓のコピペで問題ありません。(ただの規約の文みたいなものです)
「本研究は、公益財団法人○○研究振興財団(××試薬)、公益財団法人△△研究振興財団 (□□向上)、公益財団法人○×(△○補助事業,□×開発)からの研究助成を受けて実施しました。」
以上となります。次はポスター発表の発表方法についてです。
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