今回は理系大学生向けのグラフの作り方を紹介します。
![](https://senbalab.com/wp-content/uploads/2024/03/24910108.jpg)
レポートや論文に載せるグラフにはいくつか守らなければならないルールがあります。
詳しい形式については学会や研究室の指定フォーマットに従う必要がありますが、基本的な部分についてはどこであろうと同じになります。
簡単な事ですが、いざ一人で1から作ろうとすると結構難しかったりするので守るべきポイントをまとめて解説します。
ポイントは下記9点です。
↓実際のExcel操作手順はこちらになります↓
前情報
研究室でちゃんとしたグラフを作るには専用のソフトを使用します。
私は「Igor Pro」を使用していましたが、守るべきポイントは上記の9点ですのでExcelでもポイントを押さえれば問題ありません。
ではなぜExcelを使用しないのか。大きな理由として、Excelはグラフ同士の比較に向いていないからです。
例えば、A社員とB社員の売上高を比較したい時適当にグラフを作成したら下記の図のようになります。
![](https://senbalab.com/wp-content/uploads/2024/03/比較1-1024x410.png)
一見、A社員の方が売り上げが伸びていると思いますよね。
しかし縦軸の値に注目すると、上限値が異なる為、実際にはB社員の方が売り上げ高は高いことになります。
このように比較する際に軸が自動で変わってしまう事やグラフの領域のサイズ等が簡単に変わってしまう為、学会などのロジカルな場でExcelグラフを使う事はあまりオススメしません。(重要なグラフほど使っている人もいません。)
もし比較するならば下記のようになります。
![](https://senbalab.com/wp-content/uploads/2024/03/比較2-1024x413.png)
このグラフなら視覚的にB社員の売り上げの方が高いことが一目でわかります。
グラフとは必要な情報が一目でわかることが重要です。究極的にはグラフの画像を見ただけでその実験のすべてがわかるのが理想です。
そのためには軸のラベルを作る、単位を忘れない等上記9点の項目が大事になるわけです。
反対に適当なグラフを作っている人はその実験自体にも不信感を持たれてしまうので大事なポイントは必ず押さえましょう。
グラフ作成のポイント9点の①~⑤について
![](https://senbalab.com/wp-content/uploads/2024/03/グラフ左-861x1024.png)
①軸の目盛を付ける・・・縦軸、横軸の数値を等間隔で付けます。
②軸の単位を付ける・・・単位は必ず付けましょう。上記例では[N]になります。
また、英語の場合はフォントはTimes New Romanにしましょう。
③軸の目盛は内側にする・・・軸から生えている目盛線ですが上下とも内側に向くようにしましょう。
④目盛に点線を付ける・・・グラフのピークの値が軸のどこに当たるのか一目で分かるように点線を付けましょう。
⑤外枠を太くする・・・外枠を太くすることで目盛が見やすくなる事に加えてグラフの見た目が締まります。
変更の際は「変更したい場所を左クリックで選択」→「選択されている事を確認して、マウスを動かさず右クリック」→「軸の書式設定や目盛の設定を行う」
グラフ作成のポイント9点の⑥~⑨について
![](https://senbalab.com/wp-content/uploads/2024/03/グラフ右-1024x874.png)
⑥凡例を付ける・・・グラフが複数重なっている場合ではどの線がどの試料を表しているのか分かりません。
凡例を付けてどの線が何の試料か必ず明記しましょう。
⑦グラフが複数ある時は色を変える ・・・(白黒の場合はマーカーを変える)
凡例と同じようにグラフを判断できる様にしましょう。マーカーとはグラフのプロットを○や□、△にする事です。
![](https://senbalab.com/wp-content/uploads/2024/03/マーカーの例.png)
⑧注目する範囲の前後も記述する・・・上記のグラフ例では10秒から16秒の間にグラフが変動していますが、その前後についても反応がないか示すために8秒~20秒の範囲を図示しています。
⑨図のタイトルは下に付けて中央揃え・・・図のタイトルは「図1 ○○○」と書いてグラフの下に中央そろえにしましょう。
参考図書
これらの本は実験レポートの作成だけでなく、実験の進め方や研究の取り組みかたでも非常に参考になりました。
時間が無い大学生でも読んでおくことでレポートに費やす時間を削減できる可能性があります。
まとめ
この方法で作成した画像は卒論や修論だけでなく、学会の口頭発表、ポスター発表などでも使用することができます。
実際に私はこのグラフの作り方で、在学中に7つの学会に参加して6回賞を受賞することに成功しています(プロフィール)。
えらい教授の方に説明する時もこれらのグラフで納得してもらえていることから、最低限のポイントは抑えられていると思います。
あとは担当教授の好みであったり、自分の発表スタイルにもよりますが、基本を守った上で自分の発表に合わせてグラフを作成しましょう。
各レポートの作り方はこちらを参照してください。
↓文字から飛べる様になっています↓
「背景>目的>実験方法>実験結果>考察>結論」要点を確認しましょう。
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